ロルフェリンEDP (セルジュルタンス)

トップノートは夕暮れの人の行き交う街角、ミドルノートはひとりの静寂な夜、ラストノートは誰も居なくなって月明かりだけの夜というイメージです。お風呂上がりにつけると寝具にも心地よい香りが移り、気持ちが安らぎます。翌日もほぼ終日ラストノートの余韻が続きます。盛夏はセルジュルタンスのローフォアッドをつけますが、ロルフェリンは秋以降に似合う香りと思います。

”お婆ちゃんのタンス”と評される方も多いですが、 私には上品な「ソープ」「ムスク」「甘めのインセンス」が印象に残りました。 他に例えるなら「濡れたコンクリート」×「人工甘味料」とか 「日焼けした砂に落としたシロップ」。 フルーティーさやグルマンな甘さとは違うし、言う程パウダリーでもありません。 どこか奥底にひんやりとした香りが潜んでいます。 香調の変化はあまりしなく、「ソープ」と「甘さ」が持続するようです。 ルタンスならではの世界観がはっきりとしていて 清楚で儚げなイメージが優先するので、 着ける人を選ぶと思われます。よって☆３つとしました。 夏場でもこういう違った角度の冷たさもイイと思います。 ルタンスマニアには一つ持っててもいいのではないでしょうか。

ロルフェリンとは灰の乙女という意味だそう。ルタンスらしい独特の世界観が広がる奥深いかおりでし。トップの沈香(インセンス)はとても心が落ち着く香りです。セルジュノワールの墨(パチュリー)の香りと一瞬似ているのですが、セルジュノワールが力強く感じられたのとは対照的にロルフェリンは和紙のような、どこまでも儚げな柔らかさがあります。 そしてミドルにはムスク、カストリウムの香りへと続いていきます。カストリウムとはビーバーから取られる香料でアニマリックなものですが、穏やかな懐かしい香りです。迷っている方には是非お勧めしたいです。

トップから、スーッとするような樟脳の少し甘い香りに続いて、静かにお香の様な厳かな雰囲気があり、とても好きです。つける時は少なめに付けると程よく香りました。落ち着きたい時付けるのに向いています。オールシーズン使える香りだと思いますが、敢えてお盆の季節、晩夏などに合うような気がします。全体的にノスタルジック。冷たさも感じる不思議な香りです。

秋冬は、セルジュノワール。春夏は、ロルフェリンです。 静謐な落ち着いた香り。石鹸の香り。 いくつかまとめ買いをしたいと思っていたら、あっという間に売り切れてしまいました。 また、入荷されるといいな。